絵コンテ作りにBlender(とVerge3D)?

下描きの段階でも3Dソフトを使いたい

BlenderやCascadeurを長時間使っていると、中ボタンを押したままカーソルを動かしてモデルをいろんな角度から見るのが当たり前になります。

そのため2Dのグラフィックソフト(InkscapeとMyPaint)を使っている時も、つい中ボタンを押して視点を変えようとしてしまいます。

それならいっそ、下描きの段階からグラフィックは3Dでやってみては?と思いつきました。



略画とセリフをざっくりまとめた漫画の下描きのことを業界では「ネーム」というそうですが、筆者は漫画家になったことがないので、なんとなく「ネーム」という言葉は使いにくいです。

そのため「漫画家入門」で初めて知った「絵コンテ」という言葉で、今回のお話を進めましょう。

ゲーム「もふもふ山」は、主人公がいろんなキャラからためになる話を聞き、仙人を探しにもふもふ山に入るという筋立てです。仙人はもふにゃんJrという実在する賢人がモデルです。もふもふの里にいる皆は、仙人からもう一度教えを乞いたいと願っていて、主人公を応援します。

このゲームには、派手なアクションも難しい謎解きもありません。主人公ともふもふの里の皆との会話を展開するのが主な目的です。

ゲームの機能として、主人公が話相手と出会ったら画面が切り替わり、漫画ページが始まるようにしたいです。

今ご覧になっているコンテンツが漫画ページの雛形です。右上の四角いボタンでフルスクリーンのオン・オフができます。

漫画ページはゲームから独立して印刷物としても成り立たせたいです。

そのため、ソフトを使いこなして絵コンテからPDF原稿完成までさくさく作業が進められるように、方法や環境を模索してきました。そして記事の冒頭にも書いたように、「絵コンテ段階でも3Dを使いたい!」と思うようになりました。

真っ先に思いついたのは、「Inkscapeに3Dビューアの機能があれば!」ということですが、ベクターグラフィック専用のソフトにそこまでの機能は求めますまい。次善策としてInkscapeとVerge3Dのアプリを並べて、交互に使うことにしました。

Verge3Dを使えば、3Dモデルをブラウザで再生できるようになります。キャラやカメラを動かして、1コマに入れる絵のおおざっぱな感じをつかみます。位置や角度が決まったらキャプチャして、ペイントソフトにもっていき、表情やポーズをメモ的に描いておきます。

絵コンテ用SVGではコマ割りと文章書きを重点的に進めます。ここに収めるビットマップの絵は、後で3Dで作業するためのメモの役割をはたします。

わざわざこんなことをせずに、Windowsの漫画専用アプリを使えばよさそうなものですが、筆者は現在、 「いわゆるストーリーマンガ」から距離を置きたい気持ちになっており、伝統的なマンガ制作方法を採らないのもその気持ちの現れの一つなのです。

なぜストーリーマンガから離れたいのか? 子供の頃からがっつり影響を受けているものから離れられるのか?

いずれ文章化したいと思っています。



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