『共産党を吾等が排撃する五つの理由』

四、共産党は日本国家の独立性を奪わんとす

共産党を吾等が排撃する五つの理由』の第四章、全文(1960字)と要約(196字以下)


共産党は日本国家の独立性を奪わんとす

日本に於て共産主義を奉じて、労働運動、社会運動、而して政治運動を起しつつある徒輩は、彼等の企図する事を最も実現し易き場所と断ずべきロシア、人口希薄資源豊富なる労農ロシアに於てさえ、実現不可能なる事を実証された共産主義なるものを、何が故に鳴り物入りで、担ぎ廻り宣伝しているのであるか、それは彼等の政権獲得欲の為であり、大衆に対する支配欲のためであることは、既に再三これを詳述した如くである。

善意に解すれば、中には共産主義を来るべき社会の唯一至高の指導原理と考えて居る者もあるであろう、けれどもそれは悉く少数頭目のために利用されているにすぎない。その中心目的は、一貫して、日本国家の政権奪取であり、大衆煽動であり、国民の戦い取りであり、而して日本国家の革命である。

彼等の奉じている共産主義原理なるものは
「国家は死滅すべきもの」
「無産者には祖国なし」
「失う所は鉄鎖(階級専制国家の力)得るものは全世界」 という内容を包含するもの、彼等が日本国家の政権奪取、日本革命の目的を達するために、もとより日本国家の地位及び将来、日本国民の名誉幸福など問題とならない筈である。而して日本国家の独立性を喪失しようが、どうしようが、これ亦彼等の問題とする所でないのである。さればこそ日本国家に致命傷を与えることを敢えて辞せず、日本国民の福利を残害するも意とせず、遮二無二共産主義の煽動に、うき身をやつすのである。

昭和二年十二月、山形五色温泉に於て発会式を挙行した日本共産党は、その宣言の冒頭に於て、
「日本共産党は、国際共産党(コミンテルン)に日本支部としてであって、断じて独立したものでない」 と説明しているのであるが、一朝日本共産党なるものによって我が日本の政権が奪取されるとした場合、我が日本国家は当然労農ロシアにある(コミンテルン)本部よりの指令を仰ぐ国際共産党(コミンテルン)の付属国、事実に於て労農ロシアの支部国、即ち属国となり、日本国家としての独立性を全く喪失し去ることは、必然に導かるべき結果でなければならない。

彼等の実際活動を見よ。 「労農ロシアを守れ」 と呼号しつつ、日本国家を破壊混乱に導かんとしつつあるのだ。彼等にとって大切なのは、日本国家でなく、労農ロシアだ、彼等は断じて日本を護ろうとはしない、労農ロシアを護ろうとするのだ。彼等の奉ずる国家は、労農ロシアで日本ではないのだ。

さればこそ、日本の祝祭日を祝わないで、労農ロシアの祭日を祝っている。十一月七日の露国革命記念日は彼等の一大祝祭日だ、五月一日のメーデーは、国祭日以上の大祭日だ。而して労農ロシアの政府なり、労農組合幹部なりに対しては、公然指導を懇願し連絡を切望している。彼等は最早日本国民ではなく、労農露国民だ。国民同胞ではなく、異邦人だ。

斯くの如き心理を抱懐し、本質を有する彼等共産主義者は従って彼等の祖国たる労農ロシアに忠ならんとして、労農ロシアの国家的発展を図るべく、その障碍物であり、その餌食に外ならない我が日本国民を破壊して、労農ロシアに奉献せんと努力しつつあるのである。茲に至って、彼等の運動の売国性(他国の属領保護領たらしめて、然る上政権を得んとする)は益々明確となり、我が日本国家、日本国民にとり、彼等の内敵性は、益々明白とならざるを得ないのである。

我が日本の歴史に於て、多くの叛逆者があった。或いは平の将門、或いは足利尊氏等である。けれども彼等と雖も、決して日本の独立性を失わしめんと迄したものではなかった。足利義満、足利義政等は財を得んとして明の封冊を受けた。けれどもそれは単に名目だけのものにすぎなかった。

然るに我が日本今日に於ける共産主義者等は、名実共に我が日本を労農ロシアの隷属国たらしめ、日本国家の独立性を失わしめんとするのである。我が日本國民、我等の祖先は如何に国民相互に苦難を嘗め、国民相互に苦闘し来ったとは云え、未だ嘗て日本国家を挙げて外国の隷属国としてその苦難を去ろうとした者はなかった。

単に物質的の幸福だけを求むるならば、或いは朝鮮或いは支那、或いは西洋諸国の属国になっていた方が、よりよかったかも知れない。けれども敢えてそれをしなかったのは、日本国家に據って、日本国家にあらずんば、成し遂げ得がたい文化的使命を達成せんことを念願し、更に因縁に據って与えられた日本の国家的生命を飽く迄維持しようとの、自主自立の精神に燃えて居たればこそであった。

然るに今は物質的福利を名とし、自己等の政権欲満足の為めに、自国を他国に奉献しようとする卑劣漢、共産主義者を出したのだ。我等は祖先の為め、国民同胞のため、この売国卑劣漢を剿滅しなければならない。

要約

  • その中心目的は、一貫して、日本国家の政権奪取であり、大衆煽動であり、国民の戦い取りであり、而して日本国家の革命である。

    善意に解すれば、中には共産主義を来るべき社会の唯一至高の指導原理と考えて居る者もあるであろう、けれどもそれは悉く少数頭目のために利用されているにすぎない。その中心目的は、一貫して、日本国家の政権奪取であり、大衆煽動であり、国民の戦い取りであり、而して日本国家の革命である。彼等の奉じている共産主義原理なるものは「国家は死滅すべきもの」「無産者には祖国なし」「失う所は鉄鎖(階級専制国家の力)得るものは全世界」という内容を包含するもの、彼等が日本国家の政権奪取、日本革命の目的を達するために、もとより日本国家の地位及び将来、日本国民の名誉幸福など問題とならない筈である。

  • 而して日本国家の独立性を喪失しようが、どうしようが、これ亦彼等の問題とする所でないのである。

    彼等の奉じている共産主義原理なるものは「国家は死滅すべきもの」「無産者には祖国なし」「失う所は鉄鎖(階級専制国家の力)得るものは全世界」という内容を包含するもの、彼等が日本国家の政権奪取、日本革命の目的を達するために、もとより日本国家の地位及び将来、日本国民の名誉幸福など問題とならない筈である。而して日本国家の独立性を喪失しようが、どうしようが、これ亦彼等の問題とする所でないのである。さればこそ日本国家に致命傷を与えることを敢えて辞せず、日本国民の福利を残害するも意とせず、遮二無二共産主義の煽動に、うき身をやつすのである。

  • 彼等にとって大切なのは、日本国家でなく、労農ロシアだ、彼等は断じて日本を護ろうとはしない、労農ロシアを護ろうとするのだ。

    「労農ロシアを守れ」と呼号しつつ、日本国家を破壊混乱に導かんとしつつあるのだ。彼等にとって大切なのは、日本国家でなく、労農ロシアだ、彼等は断じて日本を護ろうとはしない、労農ロシアを護ろうとするのだ。彼等の奉ずる国家は、労農ロシアで日本ではないのだ。

  • 彼等の奉ずる国家は、労農ロシアで日本ではないのだ。

    彼等にとって大切なのは、日本国家でなく、労農ロシアだ、彼等は断じて日本を護ろうとはしない、労農ロシアを護ろうとするのだ。彼等の奉ずる国家は、労農ロシアで日本ではないのだ。さればこそ、日本の祝祭日を祝わないで、労農ロシアの祭日を祝っている。

  • さればこそ、日本の祝祭日を祝わないで、労農ロシアの祭日を祝っている。

    彼等の奉ずる国家は、労農ロシアで日本ではないのだ。さればこそ、日本の祝祭日を祝わないで、労農ロシアの祭日を祝っている。十一月七日の露国革命記念日は彼等の一大祝祭日だ、五月一日のメーデーは、国祭日以上の大祭日だ。

  • 彼等は最早日本国民ではなく、労農露国民だ。

    而して労農ロシアの政府なり、労農組合幹部なりに対しては、公然指導を懇願し連絡を切望している。彼等は最早日本国民ではなく、労農露国民だ。国民同胞ではなく、異邦人だ。

  • 然るに我が日本今日に於ける共産主義者等は、名実共に我が日本を労農ロシアの隷属国たらしめ、日本国家の独立性を失わしめんとするのである。

    けれどもそれは単に名目だけのものにすぎなかった。然るに我が日本今日に於ける共産主義者等は、名実共に我が日本を労農ロシアの隷属国たらしめ、日本国家の独立性を失わしめんとするのである。我が日本國民、我等の祖先は如何に国民相互に苦難を嘗め、国民相互に苦闘し来ったとは云え、未だ嘗て日本国家を挙げて外国の隷属国としてその苦難を去ろうとした者はなかった。

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