『共産党を吾等が排撃する五つの理由』

序文とその要約

JPEG画像の書籍を読み上げてその音声データからテキスト化する試み。最初の本は『共産党を吾等が排撃する五つの理由』です。

文字起こしが終わったので見出しと段落をつける作業に取り掛かりました。先ずは序文を要約スクリプトにかけ、どの箇所がキーポイントになるか調べてみます。


序文

世界大戦末期以来、殊にロシア革命以来、我が日本に過激なる革命的マルクス主義思潮流入し来たり、漸次流行の傾向を辿り、言論機関を通じ、学校の教壇より、労働運動の間に於て、マルクス主義の宣伝頻りに行われ、遂に我が国体の変革を目的とする共産党を出現せしめ、大正十二年三月を第一次とし、次いで昭和三年三月十五日の大検挙より、引続き数次の全国的検挙を見るに至った。

然るに共産党運動はその戦術極めて巧妙であり、引続く検挙にも拘わらず飽く迄我が日本に於てその跡を絶たんとせず、有ゆる変装変形を以て、我が国礎の破壊に向い、今日に於ても依然変形外廓機関を利用して益々その勢力を社会全面に拡大して止まないのである。共産党の主体は或いはその勢力を失ったかも知れない。けれども党運動に加わらずとも、マルクス共産主義を奉ずるものは、学界、思想界、教育界、社会運動界に、夥しき数を算えつつある。プロレタリア文芸の台頭、新興劇を標榜するマルクス主義宣伝劇の進出、流行新聞、雑誌に現わるる マルクス主義文学および論説、それ等は公然社会的勢力を形成し来りつつある。この現象は何を物語るか、何に原因するか。

共産党事件は、司法省の発表によれば、思想犯罪上未曾有の事犯であり、我が日本の歴史上未だ曾てなかった日本国体の根本を破壊変革せんとするものであり、我が日本国家にとり不祥極まるものであるに拘らず、 尚共産党の色彩を有する運動が跳梁しつつあるは、他にも原因を数えることが出来るであろうが、第一に、共産党運動の国家国民に与うる害悪に就て、当局及び識者が国民に対し説明することの不充分なるに由ると謂わねばならない。

共産党を排撃せざるべからずとは、当局及び国家主義的識者のみの言う所にあらず、実にマルクス主義の党与とも考えられる無産政党方面、右翼の社会民衆党も、左翼の労農大衆党も之を唱えて止まないのであるが、その何が故に排撃せざるべからざるや理由論拠に就ての説明に至っては、甚だ不徹底たるを免れない。さればこそ国民は、共産党検挙に就ても、今次の共産党公判に当っても、その理由と真相を解するに苦しみつつあるのである。実に我が日本国家の最大危険は、この共産党運動の害悪に対する国民の無知、不識にあると断ぜねばならない。

本著は、この欠陥を満たさんがためこの国民的危険を排除せんがため、編述されたものに外ならない。

要約

992字の全文を10%以内の文字数で重要箇所を抜き出し。

  • けれども党運動に加わらずとも、マルクス共産主義を奉ずるものは、学界、思想界、教育界、社会運動界に、夥しき数を算えつつある。

    共産党の主体は或いはその勢力を失ったかも知れない。けれども党運動に加わらずとも、マルクス共産主義を奉ずるものは、学界、思想界、教育界、社会運動界に、夥しき数を算えつつある。プロレタリア文芸の台頭、新興劇を標榜するマルクス主義宣伝劇の進出、流行新聞、雑誌に現わるるマルクス主義文学および論説、それ等は公然社会的勢力を形成し来りつつある。

  • 実に我が日本国家の最大危険は、この共産党運動の害悪に対する国民の無知、不識にあると断ぜねばならない。

    さればこそ国民は、共産党検挙に就ても、今次の共産党公判に当っても、その理由と真相を解するに苦しみつつあるのである。実に我が日本国家の最大危険は、この共産党運動の害悪に対する国民の無知、不識にあると断ぜねばならない。本著は、この欠陥を満たさんがためこの国民的危険を排除せんがため、編述されたものに外ならない。

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